忍者ブログ
AdminWriteComment
講演会参加記録帖
No.
2024/09/29 (Sun) 02:20:46

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

No.36
2012/08/26 (Sun) 23:25:40

講演日 2012年8月25日(土) 14:00~15:30
講 師 石澤 靖典(いしざわ やすのり) 山形大学人文学部准教授 
会 場 国立西洋美術館講堂先着140名無料

ベルリン美術館展記念公演。公演に先立ち、石澤氏のプロフィールを西洋美術館主任研究員高梨氏が紹介したのだが、東北大学の後輩に当たるということで、石澤氏の研究者としての資質の高さをほめちぎっていた。イタリア・ルネサンス研究者のなかでも、15世紀を研究するのは特に難しいそうだ。なぜならば、15世紀以前の文献は基本的に中世ラテン語で、更に書体も特別な書体が使われているとのこと。文献が読みこなせなければ話にならないわけで、特に、15世紀を研究する人は日本でもそう多くないという。その中でも、石澤氏は一押し研究者だとか。あまり手放しに褒められても石澤氏もやり難いだろうなあと思ったが、そうでもないらしい。けっこう淡々とした導入部から始まった。

歴史研究をする場合、まずその時代背景をその時代にさかのぼって、きちんと把握しておかないといけない。現代とはまるで違う価値観が支配する世界かもしれないし、町並みだって、生活様式だって、現代とは違う。そういうことをまず踏まえて、さまざまな事を検証していく必要があるわけだ。なるほど!

お話は、「現実のフィレンツェと都市イメージ」「聖なる画像と都市の市民生活」「世俗の肖像画と都市」という3つのテーマですすめられたのだが、話が進むにつれ、最初淡々としていた石澤氏の話ぶりにも熱が入り、非常に盛り上がった。

話の中で、非常に面白かったのは、都市が発展するに従い、芸術が市民の共同体意識を向上するための戦略として使われたという点や、聖母子や幼い姿の聖人たちのイメージが、子供の情操教育の手段として有効であるみなされていたということだ。

また、デスマスクをとり、それを肖像彫刻や肖像画のモデルとして利用したなんていう話もあり、それを始めたのが、ダ・ヴィンチの師匠のヴェロッキオだったとか。ベルリン美術館展にはコジモ・デ・メディチレリーフが出品されているのだがその作品は、コジモが亡くなってすぐの制作で、ヴェロッキオがコジモのデスマスクを取って、それをモデルにしたのではないか?とのお話で凄く生々しくて、ぞくぞくしてしまった。

西洋美術館の講演会は毎回とても面白いので楽しみにしているのだが、一流の研究者の話を無料で聞けるって本当にありがたいと思う。それなのに・・・・・・、隣に座った壮年男性は寝ていましたそれも、かなりの熟睡・・・・昼過ぎで眠いのはわかりますけど、せっかくの講演なんですから、ちゃんと聞いてほしいなあ・・・・。席数限定で整理券もらえなかった人もいるかもしれないのですから。



 
PR
[37]  [36]  [35]  [34]  [33]  [32]  [31
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新CM
[12/05 正春]
[12/04 DNA]
[12/04 正春]
最新TB
プロフィール
HN:
DNA
性別:
非公開
職業:
流通業事務屋
趣味:
美術展鑑賞と読書
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]