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講演会参加記録帖
No.
2024/09/29 (Sun) 02:19:26

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No.5
2007/12/03 (Mon) 20:53:46

講演日 2007年12月3日(月)
講演者 佐々木 光信(AFLAC医長・医学博士)
    『がんと医療を考える』
    川上 祥子(NPO法人 キャンサーネットジャパン広報担当理事)
    『もっと知って欲しい「がん」のこと』

 アヒルのコマーシャルでおなじみのAFLAC社が開いた健康応援セミナーにいってきました。お付き合いのある代理店さんから是非とのお誘いがあり、何でも知りたがりの私に「お前が行ってこい!」との指示が・・・。いやあ~、とっても勉強になりました。

 日本人の男性2人に1人、女性は3人に1人が、一生のうちに一度はがんに罹るそうです。1年間にがんで死亡する人は32万人!高齢化する日本は、いまやがん大国なのです。ところが、がんに対する日本人の認識は非常に低く、国としてのがん対策は欧米に比べまだまだ遅れているというのが現状なのだそうです。
 講演の中で特に印象に残ったのは、がん治療の拠点病院の地域的偏在の問題、各拠点病院間の治療成績に大きな格差があること、そして、正しい知識を持つ機会もなく、氾濫する情報に惑わされ、科学的根拠に基づいた「標準治療」を受けることが出来ないばかりでなく、胡散臭い民間療法や、背徳的な医師の独善的な治療にすがってしまう人がいるということです。
 今回「標準治療」と言う言葉を始めて知りました。「標準」というと誤解されやすいのですが、簡単に言うと、ある一定の条件の患者さんに対して一番効果的な治療方法のことをいうことだそうです。世界各国でたくさんの医師がさまざま治療を行い、臨床データーをとっています。新しい治療法が開発され、日々「標準治療」が変っていきます。極端に言えば、1年前の「標準治療」と今の「標準治療」が変っていても何の不思議もないそうです。逆に言えば、世界中の臨床データーから一番治療成績のよいものが「標準治療」といわれるものなのだそうです。この「標準治療」といわれるものは、条件が変れば当然変ってきます。同じ乳がんでも、さまざまなタイプがあり、Aタイプの「標準治療」はこうだけれども、Bタイプはまた違うのです。
 セカンド・オピニオンという言葉は知っていても、どのようにしたら、効率的に自分自身のがんの治療を選択したらよいか、そういった肝心な情報をなかなか知ることが出来ません。それは、「がん」という病気がとても怖く感じられ、また、自分がなりえるかも知れない病気としてなかなか認知できないものだからかも知れません。
 私の母は大腸がんで亡くなりました。発見時にすでにかなり進行しており、数度にわたる手術を繰り返しました。最期は肝臓に転移し、抗がん剤治療のための器具を埋め込む手術をしたのですが、シリコンが体に合わず、手術から10日もしないうちに再度手術をして器具を取り出すという辛い思いをさせてしまいました。シリコンが体に合わないことを、母は以前受けたことのある眼の手術で自覚していたようです。しかし、私たち家族はそれに気づかず、母に手術の詳しい内容を話さないまま、手術を受けさせてしまいました。「言ってくれればよかったのに。そしたら、そんな手術は受けたくなかった。」母が言った言葉に家族は本当に後悔しました。母の闘病態度は本当に立派なものでした。だから、もっときちんと母に治療の選択をさせて上げればよかったのです。その時は、父も私もただおろおろするばかりでした。
 母のことがあり、もしも自分ががんになったら(多分がん体質が遺伝していると思うので、覚悟はしています。)きちんとがんと向き合い、主体的に治療法を選びたいと考えていました。しかし、具体的に、どうしたらいいかまでは、まだまだ漠然としたものでしかなかったことに、今回の講演を聞いて気づきました。
 大切なことは、がんが決して他人事ではなく誰でもかかる可能性のある病気であることを知ることです。がんになる前に、きちんとがんに対する正しい知識を持つ努力をすることです。早期に発見し、科学的根拠に基づいた「標準治療」の中から自分の条件にあったものをきちんと選択することで、がんの根治、もしくはより長くがんと付き合いながら、よりよい人生を生きることができるのです
 間違っても、科学的根拠のない代替療法に頼ってはいけません。正しいがんの知識を得たい、がん治療について相談したいという時には、信頼の置ける情報ソースを選ぶことです。書店で売られている本の全てが信用できるわけではありません。インターネットの情報もまたしかりです。

 推奨サイトとして紹介されていたものをあげておきます

 
サプリメントや健康食品についての信頼できる情報
 

厚生労働省ホームページ 食品安全情報
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/index.html

国立栄養・健康研究所 健康食品の安全性 有効性情報
 http://hfnet.nih.go.jp/


標準治療についての情報を得られる推奨サイト

 国立がんセンター がん対策情報センター
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/index.html

がん情報サイト
  http://cancerinfo.tri-kobe.org/


がん対策基本法が制定され、全国にがん治療の拠点病院が指定されました。そこは地域住民からの相談を受け付けることが義務付けられているそうです。怪しげなサイトに頼るより、きちんとした相談窓口に行きましょう。

 がん対策拠点病院一覧
 http://ganjoho.ncc.go.jp/pub/hosp_info/hospital01/index.html
 
 最期に、今日始めて知って、驚いたこと。子宮頸がんの原因の大きな原因のひとつに「ヒトパピローマウイルス」の感染が知られていますが、一部の型に対するワクチンが開発されたそうです。まだ、日本では治験の段階だそうです。全ての子宮頸がんの原因に対応するわけでなくても、がんのリスクを減らせるのであれば、非常に有益だと思います。

 高齢化する日本にとって、がんはもはや避けて通れない病気になっています。積極的にがん検診を受け、早期発見すればそれだけ根治の可能性が高まります。最愛の母をがんで亡くした私と同じ後悔を、出来れば誰にも味わって欲しくないです。
 今日は本当に有意義な講演を聴くことが出来てよかったと思っています。



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無題
DNAさま、こんにちは。
今朝テレビでちょうどがんについて放送しているのを見ていたので、タイムリーでしたわ。(そういえば、昨日も別の番組でやっていた・・・ということは、毎日?)
今日の放送内容はがん検診の誤診についてでした。よく「検診受けたのに、癌になった」という声が聞かれるということで、国も検診内容のレベルアップを進める・・・というお話でした。確かに場合によっては高い費用を払って検診をうけているのに、それが全て無になってしまうような気もしますものね。
昨日の放送内容は、子宮がんについて。昔は高齢者がかかるものだったそうですが、いまは低年齢化しているそうです。癌に至る経緯によっては遺伝など色々あるのでしょうが、最も多いのは性交渉による感染がもたらす細菌を自分で退治できないということでした。この細菌感染は経験者ならばかかるそうですが、その大半は自分で治せるという女性の体のメカニズムになっているのにたいし、数割の人にはそのシステムがないので、放置しておくと癌に至るそうです。
子宮がんに限らず、検診を受ける大切さを訴えていましたが、その翌日に誤診・・・なんて報道をみてしまっては、いったいどうしたらいいのやら・・・。
それでも何もしないよりは、普段からの健康チェック、そして健康診断は必要ですよね。
正春 2007/12/04(Tue)10:56:42 編集
無題
正春さま こんばんは
コメントをありがとうございます。どんな物事も、運・不運があるんです。検診で見過ごされてしまうこともあるでしょう。でも、毎年受けていれば、見過ごされる確率は減りますし、自分の体をよく観察する癖をつけておけば、小さな違和感から重大な病気の予兆を突き止めることができる場合もあります。神経質になりすぎても、無関心になりすぎてもだめでしょうね。究極、人は必ず死にます。ええ、生まれた瞬間から定められた運命でございます。より充実した人生が送りたいと思うのは当たり前のことですよね。でも、普段漫然と生きてるとなかなかそれがわからない。
これだけがんにかかる人が多いのだから、自分または家族ががんになるというのは、不思議なことじゃないんです。だからこそ、なる前からがんのことを知っておくことが大切だと思います。知らないことは怖いです。でも、知っていれば、落ち着いて勇気をもって対処できるのではないかと思います。
母が亡くなってから死ぬことが怖くなくなりました。死ぬことそのものより、ちゃんと自分らしく生きられない状態であることのほうが怖くなりました。人生が限られたものであることを、本当に教えてくれたのは母の死でした。長く生きることが人生の目的ではありません。よりよく生きるために何ができるか。それは健康なときでも病気のときでも、同じことだと思います。死ぬときに、「自分らしく生きた」といえるようになりたいと思っています。
その為にも、毎年の検診を受けて、健康に注意を払っていくつもりです。
DNA 2007/12/04(Tue)20:51:43 編集
無題
DNAさま、ありがとうございます。

いかに長く生きることよりも、よりよく「自分らしく生きること」が大切・・・・。この言葉を聞けば、フランスのかの方を連想してしまいます!
「自己の真実のみにしたがい、一瞬たりとも悔いなく与えられた生をいきた・・・」
わたくし達の憧れですよね♪
正春 2007/12/05(Wed)14:58:45 編集
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