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講演会参加記録帖
No.
2024/09/29 (Sun) 02:27:57

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No.2
2007/09/15 (Sat) 21:44:15

講演日 2007年9月15日(土)
会 場 サントリー美術館 6F ホール
参加費 2000円 (展覧会チケット含む)
講 師 榊原 悟(群馬県立女子大学教授)

ここ2回ばかり企画展の記念講演会に参加申込をするも、あえなく抽選に外れていた。今回、当選はがきが届いた時には、非常に嬉しかった。
講演を聴くことで、展示されたものをより深く理解することができるし、やはり、専門の方の話を聞くと本当に勉強になる。出来るだけ、機会を見つけ、どんどん参加していきたいと考えている。
 幸運は幸運を呼ぶものらしい。なんと、大学時代の先輩がこの企画に関わっていらっしゃった。講演会の後、ばったり出くわし、お互いに驚いた。しばし学生時代の思い出話に花が咲いてしまった。

 講演者の榊原先生は元サントリー美術館の首席学芸員だったと言うことで、とてもリラックスされていた。
 近年、美術史の世界では、新しい視点で美術品を捉えなおす試みがされているという。書かれた時代・絵師・流派・様式などという視点のほかに
生活のどんな場面で使われ、それがどのような意味を持っていたのかという視点で美を捉えなおす試みだ。
 今回の展覧会でも、その試みがなされている。特に「白絵屏風」についてのお話は非常に興味深かった。
 死者の枕辺に屏風が逆さまに立てられることは、以前から知っていた。だが、出産の産屋に白一色で松竹鶴亀の絵が描かれた屏風が立てられ、それがその出産1回限りにしか使われないという習俗があった事はしらなかった。絵巻や屏風の出産シーンに描かれているものの、白絵屏風の現物はもう残っていないと思われていたそうだ。だが、粘り強く探した結果2点見つかったのだそうだ。そのうちの状態の良いものが今回展示されている。胡粉と雲母時には銀も使われたそうだが、真っ白な紙に白い絵具で描かれた屏風に囲まれ、白い衣装の人々が見守る中、妊婦も白い衣装で望んだ出産とはいったいどんなものだったのだろう。非常に感慨深いお話だった。
 屏風は外交の贈答品のなかで最も珍重されたという。江戸時代12回にわたる朝鮮通信使派遣に際して第4回から金屏風が贈られるようになり、その総計は190枚にものぼる。 幕末にオランダ王が蒸気船を贈ってくれた事に対する返礼品にも金屏風10双が含まれていた。屏風は外交の場で高い価値の有るものとして認められてきた事を今回始めて知った。
 19世紀、ヨーロッパで流行したジャポニズムは浮世絵によるものだと思われがちだが、実は16世紀南蛮貿易に始まり、多くの美術工芸品が海を渡り、その美を遠く離れた外国に伝え続けてきていたのだ。BIONBO=屏風という言葉があるほどに、深く愛されてきた事を、日本人はもっと誇りに思っていいと思った講演だった。
 
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