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講演会参加記録帖
No.
2024/09/29 (Sun) 04:33:42

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No.7
2008/01/27 (Sun) 15:21:05

講演日 2008年1月26日(土)14:00~16:00
講演者 フレデリック・ダサス (ルーブル美術館 二術工芸品部門学芸員)
会 場 東京都美術館 講堂

東京都美術館の企画展の記念講演会に参加したのは初めて。美術館入口を入ってすぐ右側奥の階段を降りたところに講堂があり、この入り口前で入場整理券が13:00から配られる。13:30に開場し、整理券番号順に入場、自由着席となる。12:30に講堂入口に並ぶ。整理券10番台を確保することができた。講堂は定員240名。ほぼ満席状態。

朝日新聞社の若い女性が司会に立ち、講演が始まった。講演のテーマは18世紀フランスの宮廷美術についてだが、今回の展示品を解説する内容ではなく、今回の展示を構成する2つの見所についての解説だった。
まず、ひとつのテーマとして、18世紀美術におけるロカイユ(ロココ)様式から新古典様式への変遷、もうひとつ宮廷で女性が芸術の庇護・発展に果たしてきた役割について(ポンパドール夫人・デュ・バリー夫人・マリー・アントワネットを中心に)である。
新古典様式については、ジャック・ルイ・ダヴィッドに興味を持ち、本などを読んで来たが、今回の講演を聞いて思った以上に、新古典様式が早い年代から新しい様式として取り入れ始められていることを知ることができた。ロココから新古典への移り変わりについて、今ひとつ自分の中で消化・理解できなかった部分があったのだけれど、今回の講演を聞き、少しではあるが腑に落ちた。絵画作品よりもむしろ、家具や調度から新古典様式の影響が早く見られることが興味深かった。
 18世紀の貴族社会や宮廷において、女性は特に社交や芸術・文化に対する牽引役を勤めてきた。特にルイ15世の治世においては、ポンパドール夫人という比類なき女性が精力的にその分野をリードした。しかし、彼女が所有していた家具や調度はルーブルにほとんど残されていないというのが意外だった。ルイ15世の最後の寵姫、デュ・バリー夫人は某少女漫画で、非常に高慢で品のない女性のように描かれているが、実際には、人好きのする楚々たる美女だったらしい。芸術の女神に扮した彼女の肖像画がスライドで紹介されたが、確かに細面の楚々たる美女だった。確かに、ポンパドール夫人のような幅広い教養や知性は感じられないが、やわらかい女性的な感性を持った人だったんだろうと思われた。彼女の豪奢な趣味が反映された家具はなかなか美しく目をひきつけた。
 マリー・アントワネットについては、ダサス氏の見解はなかなか辛辣だった。アントワネットは他の二人のように芸術や文化のオピニオンリーダーであったり、庇護者であろうとしなかったという。しかし、音楽には興味があり、彼女はパーティーオーガナイザーとしての才能があった。布に対する愛着も特出していた。彼女が作らせた椅子がそのままに残っているものをスライドで見せてくれたが、新古典様式の簡潔さとロココの甘さ繊細さが調和した美しいものだと感じた。
 意外に思ったのは、ルイ15世が、建築や文化事業を司る人物の人選を寵姫達に任せていたのに、ルイ16世は自らが掌握していたというのだ。一つにはアントワネットがそういったことにあまり強い意志を発揮する気がなかったのかも知れないし、ルイ16世の方が、そういった分野に興味が強かったからかも知れない。
 同時通訳による講演だったが、とても聴きやすく興味深いものだった。ただ、フランス語の響きはなぜこんなに眠気を催すのか・・・・。やわらかい鼻に抜ける発音は、どこか精神を弛緩させる作用があるとでもいうのか!!と思ってしまいました。
 ルーブル展に関する記念講演会はあと2回あります。無料で時間に並べばいいのですから、興味とお暇がある方はお出かけになってはいかがでしょうか?

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No.3
2007/11/18 (Sun) 19:25:32

講演日 2007年11月18日(日)
会 場 サントリー美術館 6F ホール
参加費 2000円 (展覧会チケット含む)
講 師 佐野 みどり(学習院大学教授)

 ネット申し込みをして落選したのだが、落選通知はがきに「キャンセル待ち登録を希望する人は電話で連絡」と書いてあったので、駄目もとで電話をしておいた。さりげなく、「絶対聞きたいんです!!」オーラをこめておいたのが幸いしたのか、木曜日の夜にキャンセルが出たとの連絡を受けた。奇しくも木曜日は私の誕生日。神様からプレゼントをもらったような気分だった。
 佐野みどり女史は中世絵巻物の第一人者と言われる方だが、学者然とした感じは全くなく、とても女性らしい柔らかな雰囲気で、「絵巻物大好き!!」が伝わってくる明るい講義だった。パワーポイントを使って、鳥獣戯画 甲巻を中心に絵について解説してくださった後、4巻相互の関係や各巻の特徴や周辺作品との関連について丁寧に論を進めてくださった。特に、同時期に成立した信貴山縁起絵巻や年中行事絵巻との共通モチーフの話は興味深かった。年中行事絵巻の中に、人形で行事の様子を再現した作り物が乗っている傘が描かれているのだが、それが、鳥獣戯画の場面そっくりだったりする。それを、佐野女史は「今のフィギュアみたいですよね~。」なんて解説してくださる。お茶目なかたなんですねえ。
 平安時代から、日本人はフィギュア好きだったのか・・・。箱庭とかも今で言えば「ジオラマ」だよな・・・。戯画って要するにマンガだし・・・。日本人のオタク心は平安時代から脈々と受け継がれているのだと、認識を新たにしたのだった。
 1時間半の講演はあっという間に終了。最期に質問を受けていただいただいたのだが、とてもやさしく答えていただき、ファンになってしまいました。サントリー美術館は講演のほかにもワークショップなども開いている。興味のある方は、HPを見てみてください。お子さんと楽しめるプログラムもあります。
No.2
2007/09/15 (Sat) 21:44:15

講演日 2007年9月15日(土)
会 場 サントリー美術館 6F ホール
参加費 2000円 (展覧会チケット含む)
講 師 榊原 悟(群馬県立女子大学教授)

ここ2回ばかり企画展の記念講演会に参加申込をするも、あえなく抽選に外れていた。今回、当選はがきが届いた時には、非常に嬉しかった。
講演を聴くことで、展示されたものをより深く理解することができるし、やはり、専門の方の話を聞くと本当に勉強になる。出来るだけ、機会を見つけ、どんどん参加していきたいと考えている。
 幸運は幸運を呼ぶものらしい。なんと、大学時代の先輩がこの企画に関わっていらっしゃった。講演会の後、ばったり出くわし、お互いに驚いた。しばし学生時代の思い出話に花が咲いてしまった。

 講演者の榊原先生は元サントリー美術館の首席学芸員だったと言うことで、とてもリラックスされていた。
 近年、美術史の世界では、新しい視点で美術品を捉えなおす試みがされているという。書かれた時代・絵師・流派・様式などという視点のほかに
生活のどんな場面で使われ、それがどのような意味を持っていたのかという視点で美を捉えなおす試みだ。
 今回の展覧会でも、その試みがなされている。特に「白絵屏風」についてのお話は非常に興味深かった。
 死者の枕辺に屏風が逆さまに立てられることは、以前から知っていた。だが、出産の産屋に白一色で松竹鶴亀の絵が描かれた屏風が立てられ、それがその出産1回限りにしか使われないという習俗があった事はしらなかった。絵巻や屏風の出産シーンに描かれているものの、白絵屏風の現物はもう残っていないと思われていたそうだ。だが、粘り強く探した結果2点見つかったのだそうだ。そのうちの状態の良いものが今回展示されている。胡粉と雲母時には銀も使われたそうだが、真っ白な紙に白い絵具で描かれた屏風に囲まれ、白い衣装の人々が見守る中、妊婦も白い衣装で望んだ出産とはいったいどんなものだったのだろう。非常に感慨深いお話だった。
 屏風は外交の贈答品のなかで最も珍重されたという。江戸時代12回にわたる朝鮮通信使派遣に際して第4回から金屏風が贈られるようになり、その総計は190枚にものぼる。 幕末にオランダ王が蒸気船を贈ってくれた事に対する返礼品にも金屏風10双が含まれていた。屏風は外交の場で高い価値の有るものとして認められてきた事を今回始めて知った。
 19世紀、ヨーロッパで流行したジャポニズムは浮世絵によるものだと思われがちだが、実は16世紀南蛮貿易に始まり、多くの美術工芸品が海を渡り、その美を遠く離れた外国に伝え続けてきていたのだ。BIONBO=屏風という言葉があるほどに、深く愛されてきた事を、日本人はもっと誇りに思っていいと思った講演だった。
 
No.1
2007/08/09 (Thu) 22:24:07

講演日 2007年7月4日(水) 第8回 ロココ 
     2007年8月8日(水) 第9回 新古典主義・ロマン主義 
会 場 ルーブルーDNP ミュージアムラボ《シアター》 
参加費 2700円 
講 師 大野芳材(青山学院女子短期大学教授)

 「ベルサイユのばら」といえばロココ!好きなんですよ。華やかで、甘くて、女の人がきれいで・・・ルネッサンスや印象派絵画に比べ、日本では知られていないし、俗っぽくて少し馬鹿にさえされているロココ絵画。しかし、声を大きくして言いたい。18世紀絵画は後の印象派さえも先取りしているぞ!と。シャルダンはセザンヌに通じる確かな構成の静物画を描いているし、フラゴナールは印象派も真っ青の早い筆捌きと鮮やかな色彩でモデルの本質を鋭く描き出している。大野先生はフランス近代絵画ご専門ということで、ロココも大好きだそうです。その為か、とても楽しそうにお話してくださって、私もとってもわくわくしながら聞くことができました。 大学時代に美術史を学びましたが、全ての時代を学んだわけではないので、まだまだ知らないことがたくさんあります。子供達が手を離れたらもう一度大学で学びたいと思っていましたが、まずは、講演会でリハビリをして、少しずつ、調べる事や考える事に脳みそをならしていこう♪
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