忍者ブログ
AdminWriteComment
講演会参加記録帖
No.
2024/09/29 (Sun) 02:18:12

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

No.11
2008/08/02 (Sat) 22:02:27

講演日 2008年8月2日(土)14:00~16:00
パネリスト ピエール・サットン(ブルース美術館長)
      マジョリー・ヴィーゼマン(ロンドンナショナルギャラリー学芸委員
      イエルン・ヒルダイ(ボイスマン美術館学芸員)
会 場 東京都美術館 講堂

ヨハネス・フェルメールは17世紀オランダの代表的な風俗画家である。
普通の風俗・風景画家は100点から150点の作品を残しているのに、彼が残したのは僅かに三十数点に過ぎない。世界中の愛好家達が、彼が残した作品を全て見てみたいと作品を所蔵している美術館を旅して回るほど強烈な魅力を持っている。

今回なんと7点もの作品が出品されている。マニア達が動かないはずがない。初日の今日、開館時間前にすでに380名もの人が少しでも早く作品を見たいと並んだそうだ。
今日は展示は見ずに、シンポジュウムのみ参加ということで、整理券配布時間30分前に会場前に行くと、すでに長蛇の列。240人定員のところ160番代をゲット。上手い具合に会場中央の席を確保することができた。

TBSの男性アナウンサーが司会を担当し、パネリストの講演が各30分ずつあり、その後質問時間が設けられた。
17世紀オランダ絵画についてはあまり詳しく勉強をしたことがないので同時通訳の言葉を追いかけるのが精一杯。少し予習をしていくべきだったと反省。2人目の女性パネリストの講演は、風俗画に描かれた17世紀のオランダ女性についての話で、非常に興味を持って聞くことができた。
17世紀オランダの女性は、同時代の他の国の女性に比べ自由度が高く、社会的な権利も持っていたそうだ。その背景には、オランダがプロテスタント国であり、スペインからの独立を勝ち取り市民が政治を行う共和国であったことがあげられていた。

オランダ絵画といえば風俗画や風景画が連想され、ほとんど歴史画や宗教画の印象がない。質問をしてみたところ、やはり、この頃すでに数量的に、歴史画や宗教画はかなり減ってきていたとの事だった。

フェルメールの作品がこれだけ一度に集まることは、おそらく今後10年はないのではないだろうか。会期は12月まであるので、ぜひ、お出かけになることをお勧めします。





PR
No.10
2008/06/08 (Sun) 22:52:42

フローリスで香り体験
2008年6月8日(日)14:00~15:30
新宿伊勢丹 1F フレグランス売り場

友人R嬢の誘いで、英国の老舗香水店FLORISのイベントに参加しました。
以前R嬢から分けてもらったボディローションの香りが非常に好みだったので、購入したいと思っていたところだったので、これはひとつ香りについて経験するのも良いだろうと、二つ返事で誘いに乗ったというわけです。
FLORISの次期当主9代目トム・マシュー氏から直接接客してもらえるという特典付きというのにも興味を惹かれました。老舗の若旦那さん自ら香りのご相談に乗ってもらえる!ミーハー心が刺激されます。
 いつになく気合を入れておしゃれして、R嬢と共にいそいそと会場へ。店頭に設けられた試香台には、サンプルが整然と並べられています。その前に銀色のスツールが三脚。この日の座席は3席。まあ、なんと贅沢な!三人の為に、次期当主自ら、セールスしてくださる!わくわくどきどきです。私とR嬢は時間通りにつきましたが、ちょっと遅れたもう一人の方を待っていよいよ次期当主さんのお話が始まります。
 次期トム・マシューさんはジョン・トラボルタを上品にしたようなお顔立ち、さほど背の高い方ではありませんが、灰色味を帯びた茶色の短髪に水色の瞳の穏やかでやわらかい雰囲気の方です。
 カードを使って、まず、フローリスの歴史や経営理念を説明してくださいました。素敵な女性担当者が通訳を勤めてくださいましたが、マシュー氏は美しく平易な英語で話してくださったので、半分ぐらいは理解できました。こういうときにもっと英語を勉強しておけばよかったと痛感します。
 その後、試香台のサンプルをひとつづつ試しながら、その製品の特徴や愛用している方のエピソードなどを聞かせてもらい、最後に一人ひとり自分の好みなどの相談に乗っていただきながら、商品を選びます。
 色々な香りを聞いてみると、自分の好きな香り、苦手な香りというのを自覚することができます。私は、フルーティでフローラルなものが好みの中心で、そこに、グリーン系の香りが入ったものに惹かれるようです。
 故ダイアナ元皇太子妃が好んだというジニアはスパイシーなトップノートの奥にフローラルな香りが立ち上る個性的なもので、いかにもでしたし、エリザベス女王のお好みのブーケ・ドゥ・ラ・レーヌはエレガントで気品ある香りです。オスカー・ワイルドが愛用したというマルメゾンはいかにも伊達男の雰囲気を醸しています。ロシアのオルロフ公爵のために調合されたというNO127はやわらかく包み込まれるようなどこか懐かしい香りでした。
 フルールとリリーオブザバレーの二つが特に気に入ったのですが、R嬢に以前分けてもらったフルールのローションが香りも使用感も良かったので今回はフルールのトワレとローションを購入することにしました。
 マシュー氏のサインを入れてもらって、最後に握手をしていただきました。やわらかく暖かな手でした。
 フローリスは創業以来、家族でずっと経営してきたということで、今はトムさんのお父さん・トムさん、従兄弟さんで経営しているそうです。
一番初めに作った製品は石鹸だったそうです。懐かしそうにお話してくださいました。老舗を守るということをきっと小さい頃から心に刻んで育ったのだろうと思いました。
 初めての経験でしたが、化粧にあまり興味はないけれど、香りはもっと楽しんでいこうかな~と思った楽しいイベントでした。
  
 

 
No.9
2008/03/01 (Sat) 21:23:26

講演日 2008年3月1日(土)14:00~16:00
講演者 大野 芳材 (青山学院女子短大芸術学科教授)
会 場 東京都美術館 講堂

大野芳材氏の公演を聞くのは3回目。18世紀絵画を専門に研究されている方である。
18世紀美術は17世紀古典主義と19世紀新古典主義からロマン派・印象派etc.に挟まれてあまり研究が進んでいなかったのだという。確かに、壮麗な古典主義や簡潔で力強い新古典主義、親しみやすい印象派などに比べると、軽やかで甘いロココ様式は軽く扱われがちだった。しかし、最近は研究者も増えて、いろいろなことがようやく研究され始めたとのことだ。
 ロココの工芸品における東洋趣味はかなり大きな部分を占めている。中国の磁器や日本の漆器は食器や装飾品。家具として、ブロンズや金銀のロカイユ装飾と組み合わされ、新しい物に作り変えられ、遠い異国へと人々をさそい、ローマ古代世界に対する憧れが新古典様式を導いていく。 
18世紀は博物学的興味が花開いた時代でもある。今回の展示品をこうした観点から丁寧に解説してくださった。大野先生の話口はとても気さくで平易なので、1時間半の公演はあっという間だった。最後に質問を受けて下さるというので、少々講演のなかで気になった点を質問させていただいた。どうやらご専門の部分と微妙にずれた質問をしてしまったようで、
丁寧にお答えいただいたものの、部分的には分からないというお答えでした。講演が終わり、会場を出ようとしたところ、都美術館の職員さんが声をかけて下さって、先生のお答えに補足説明をしてくださった。ロビーで15分ほども丁寧に教えてくださって、なんだかとても得をした気分になりました。専門家の講義を聴いて、おまけに、美術館の方の方から声をかけていただいて、本当に今日はラッキーな一日でした。
 
No.8
2008/02/09 (Sat) 21:36:12

講演日 2007年11月18日(日)
会 場 サントリー美術館 6F ホール 14:00~16:00
参加費 2000円 (展覧会チケット含む)
講 師 鹿島茂(共立女子大学文学部教授)


司会の女性からマイクを渡された瞬間から、鹿島茂ワールドが全開!とにかくパワフルで肩の凝らない語りっぷりについ笑い声を上げてしまいそうでした。

話はロートレックのモダニティから話は始まりました。ロートレックが捕らえ、表現した美は、従来の対象の中に既に存在するものとしての美ではなく、対象との関係性の中に浮かび上がってくる一瞬の美であると鹿島氏はいいます。この瞬間の中に捉えられる美は、スナップ写真が可能になって広く認知されるようになりますが、ロートレックは後世テクノロジーの進化によってはじめて一般人が気がついた美を既に予感していたと指摘します。そして、芸術の本質とは、時代を先取し後のテクノロジーを予感させるものにこそあるといいます。
19世紀中葉にパリの街はナポレオン3世によってセーヌ県知事に任命されたオスマン男爵によって大改造がおこなわれました。街の中央の開発によって立ち退きを余儀なくされた人々が移り住んだモンマルトル界隈が急速に発展していった様子や、キャバレーやカフェ・コンセールで繰り広げられる華やかで、ちょっといかがわしくて、ばかばかしくも哀しい話が
開けっぴろげな口調で次から次へと繰り出され、まるで、活動写真を言葉で表現されているかのような面白さでした。たくさんの著作をお持ちの鹿島氏ですが、活字から想像する以上にエネルギッシュで魅力的な方でした。機会があったらまた聞いてみたい!!と思った講演でした。
No.7
2008/01/27 (Sun) 15:21:05

講演日 2008年1月26日(土)14:00~16:00
講演者 フレデリック・ダサス (ルーブル美術館 二術工芸品部門学芸員)
会 場 東京都美術館 講堂

東京都美術館の企画展の記念講演会に参加したのは初めて。美術館入口を入ってすぐ右側奥の階段を降りたところに講堂があり、この入り口前で入場整理券が13:00から配られる。13:30に開場し、整理券番号順に入場、自由着席となる。12:30に講堂入口に並ぶ。整理券10番台を確保することができた。講堂は定員240名。ほぼ満席状態。

朝日新聞社の若い女性が司会に立ち、講演が始まった。講演のテーマは18世紀フランスの宮廷美術についてだが、今回の展示品を解説する内容ではなく、今回の展示を構成する2つの見所についての解説だった。
まず、ひとつのテーマとして、18世紀美術におけるロカイユ(ロココ)様式から新古典様式への変遷、もうひとつ宮廷で女性が芸術の庇護・発展に果たしてきた役割について(ポンパドール夫人・デュ・バリー夫人・マリー・アントワネットを中心に)である。
新古典様式については、ジャック・ルイ・ダヴィッドに興味を持ち、本などを読んで来たが、今回の講演を聞いて思った以上に、新古典様式が早い年代から新しい様式として取り入れ始められていることを知ることができた。ロココから新古典への移り変わりについて、今ひとつ自分の中で消化・理解できなかった部分があったのだけれど、今回の講演を聞き、少しではあるが腑に落ちた。絵画作品よりもむしろ、家具や調度から新古典様式の影響が早く見られることが興味深かった。
 18世紀の貴族社会や宮廷において、女性は特に社交や芸術・文化に対する牽引役を勤めてきた。特にルイ15世の治世においては、ポンパドール夫人という比類なき女性が精力的にその分野をリードした。しかし、彼女が所有していた家具や調度はルーブルにほとんど残されていないというのが意外だった。ルイ15世の最後の寵姫、デュ・バリー夫人は某少女漫画で、非常に高慢で品のない女性のように描かれているが、実際には、人好きのする楚々たる美女だったらしい。芸術の女神に扮した彼女の肖像画がスライドで紹介されたが、確かに細面の楚々たる美女だった。確かに、ポンパドール夫人のような幅広い教養や知性は感じられないが、やわらかい女性的な感性を持った人だったんだろうと思われた。彼女の豪奢な趣味が反映された家具はなかなか美しく目をひきつけた。
 マリー・アントワネットについては、ダサス氏の見解はなかなか辛辣だった。アントワネットは他の二人のように芸術や文化のオピニオンリーダーであったり、庇護者であろうとしなかったという。しかし、音楽には興味があり、彼女はパーティーオーガナイザーとしての才能があった。布に対する愛着も特出していた。彼女が作らせた椅子がそのままに残っているものをスライドで見せてくれたが、新古典様式の簡潔さとロココの甘さ繊細さが調和した美しいものだと感じた。
 意外に思ったのは、ルイ15世が、建築や文化事業を司る人物の人選を寵姫達に任せていたのに、ルイ16世は自らが掌握していたというのだ。一つにはアントワネットがそういったことにあまり強い意志を発揮する気がなかったのかも知れないし、ルイ16世の方が、そういった分野に興味が強かったからかも知れない。
 同時通訳による講演だったが、とても聴きやすく興味深いものだった。ただ、フランス語の響きはなぜこんなに眠気を催すのか・・・・。やわらかい鼻に抜ける発音は、どこか精神を弛緩させる作用があるとでもいうのか!!と思ってしまいました。
 ルーブル展に関する記念講演会はあと2回あります。無料で時間に並べばいいのですから、興味とお暇がある方はお出かけになってはいかがでしょうか?

[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新CM
[12/05 正春]
[12/04 DNA]
[12/04 正春]
最新TB
プロフィール
HN:
DNA
性別:
非公開
職業:
流通業事務屋
趣味:
美術展鑑賞と読書
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]