講演会参加記録帖
No.18
2009/09/13 (Sun) 00:17:02
講演日 2009年9月12日(土)14:00~16:00
講演者 オルセー美術館学芸員 イヴ・バデッツ氏
会 場 世田谷美術館 講堂
費 用 無料
世田谷美術館で開催される、オルセー美術館展の初日の今日、記念講演があるというのでいそいそと出かけていった。美術展の講演会はほとんどが無料。講師は、一流の方ばかり。都合がつくなら行かなければ損である。今回は、オルセー美術館学芸員 イヴ・バデッツ氏のお話を、同時通訳付きで聞いた。
登壇したバテッツ氏は50代はじめくらいだろうか?いかにもおフランスな雰囲気の素敵な方でした。
氏はモビリオナショナル・ド・フランスに25年務めたあと、家具工芸部門の拡充の為にオルセー美術館に引き抜かれたという経歴の持ち主。
「モビリエ・ナショナル・ド・フランス」って何?まず講演者の紹介で出てきた言葉から興味がそそられます。
モビリエ・ナショナル・ド・フランスとは、訳せばフランス国有動産管理局っていうらしいのです。説明が難しいので、メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスのサイトで見つけた解説を貼ります。
モビリエ・ナショナルとは、フランス国家が保有する建物の家具調度類を保管・修復のための国家機関。その歴史は3世紀以上前に設立された王立の家具倉庫に遡ります。保有するコレクションはフランス王家ゆかりのものだけでなく、エリゼ宮(大統領官邸)、オテル・マティニヨン(首相官邸)のほか、省庁や在外フランス公館の室内装飾に使われた20万点の家具調度類も、その管理下にあります。
この機関がユニークなのは、現代フランスのインテリアデザインの創造的な一面も担っているところ。1964年以来、モビリエ・ナショナルのアトリエ(通称ARC)では、フランスを代表する工業デザイナーたちとともに、歴代大統領をはじめとするフランス国家の公的な注文による家具調度類の製作を請け負っているのです。
お話はまずオルセー美術館の設立の経緯と収蔵作品の年代についてから始まります。オルセー美術館は10世紀美術の美術館として位置付けられ、収蔵作品の年代は、1848年(フランス2月革命の年)~1914年(第一次世界大戦勃発)となっている。
フランスでは、国家がすぐれた芸術作品を買い上げるという伝統がある。買い上げられたものは、美術館に収蔵されたり、大統領官邸や、各国家機関に貸し出しされたりしている。オルセー美術館に収蔵された作品も、もともとはルーブル美術館やルクサンブール美術館から移されたものが元になっているそうだ。
フランスでは芸術に階級があって、絵画や彫刻に比べ工芸については評価が高くなかったのです。その為、工芸部門はあまり充実していなかったというわけ。しかしながら、アール・ヌーヴォーの工芸や家具は日本やアメリカでとても評価が高くて、本家本元にないっていうのがやっぱりまずいってことになったんでしょうね。
それで、いまになって苦労しているという、裏話がいろいろ聞けました。講演のあとの質問コーナーでは「国家が芸術振興にすごく予算を使っていることについて、フランス国民はどのような意見を持っているのか、美術館は、どんなPR活動をしているのか」という質問に対して、ものすごく熱心に答えてくださって、まあ~フランス人ってよくしゃべる~と思いました。講演のときは原稿見ていらっしゃいましたけど、質問には用意された答えはないですからね。やっぱり、いろいろ予算は大変だってことがわかりました。
講演者 オルセー美術館学芸員 イヴ・バデッツ氏
会 場 世田谷美術館 講堂
費 用 無料
世田谷美術館で開催される、オルセー美術館展の初日の今日、記念講演があるというのでいそいそと出かけていった。美術展の講演会はほとんどが無料。講師は、一流の方ばかり。都合がつくなら行かなければ損である。今回は、オルセー美術館学芸員 イヴ・バデッツ氏のお話を、同時通訳付きで聞いた。
登壇したバテッツ氏は50代はじめくらいだろうか?いかにもおフランスな雰囲気の素敵な方でした。
氏はモビリオナショナル・ド・フランスに25年務めたあと、家具工芸部門の拡充の為にオルセー美術館に引き抜かれたという経歴の持ち主。
「モビリエ・ナショナル・ド・フランス」って何?まず講演者の紹介で出てきた言葉から興味がそそられます。
モビリエ・ナショナル・ド・フランスとは、訳せばフランス国有動産管理局っていうらしいのです。説明が難しいので、メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスのサイトで見つけた解説を貼ります。
モビリエ・ナショナルとは、フランス国家が保有する建物の家具調度類を保管・修復のための国家機関。その歴史は3世紀以上前に設立された王立の家具倉庫に遡ります。保有するコレクションはフランス王家ゆかりのものだけでなく、エリゼ宮(大統領官邸)、オテル・マティニヨン(首相官邸)のほか、省庁や在外フランス公館の室内装飾に使われた20万点の家具調度類も、その管理下にあります。
この機関がユニークなのは、現代フランスのインテリアデザインの創造的な一面も担っているところ。1964年以来、モビリエ・ナショナルのアトリエ(通称ARC)では、フランスを代表する工業デザイナーたちとともに、歴代大統領をはじめとするフランス国家の公的な注文による家具調度類の製作を請け負っているのです。
お話はまずオルセー美術館の設立の経緯と収蔵作品の年代についてから始まります。オルセー美術館は10世紀美術の美術館として位置付けられ、収蔵作品の年代は、1848年(フランス2月革命の年)~1914年(第一次世界大戦勃発)となっている。
フランスでは、国家がすぐれた芸術作品を買い上げるという伝統がある。買い上げられたものは、美術館に収蔵されたり、大統領官邸や、各国家機関に貸し出しされたりしている。オルセー美術館に収蔵された作品も、もともとはルーブル美術館やルクサンブール美術館から移されたものが元になっているそうだ。
フランスでは芸術に階級があって、絵画や彫刻に比べ工芸については評価が高くなかったのです。その為、工芸部門はあまり充実していなかったというわけ。しかしながら、アール・ヌーヴォーの工芸や家具は日本やアメリカでとても評価が高くて、本家本元にないっていうのがやっぱりまずいってことになったんでしょうね。
それで、いまになって苦労しているという、裏話がいろいろ聞けました。講演のあとの質問コーナーでは「国家が芸術振興にすごく予算を使っていることについて、フランス国民はどのような意見を持っているのか、美術館は、どんなPR活動をしているのか」という質問に対して、ものすごく熱心に答えてくださって、まあ~フランス人ってよくしゃべる~と思いました。講演のときは原稿見ていらっしゃいましたけど、質問には用意された答えはないですからね。やっぱり、いろいろ予算は大変だってことがわかりました。
PR