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講演会参加記録帖
No.
2024/12/31 (Tue) 05:12:18

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No.22
2009/11/15 (Sun) 22:12:47

講演日 2009年11月15日(日)13:00~18:00
講演者 アンリ・ゼネール ハーバード大学教授
      セゴレーヌ・ル・メン 西パリ大学 ラ・デファンス ナンテール校教授
      佐藤康宏 東京大学大学院人文社会系研究科教授    
      三浦篤   東京大学大学院人文社会系研究科教授
              近藤学   UTCP特任研究員 東京大学大学院 


会 場 東京大学 駒場キャンパス 数理科学研究科棟 地階大講義室
費 用 無料 事前登録不要 フランス語同時通訳つき

18世紀フランスの建築家ルドゥーをネットで調べていたら、このシンポジウムを紹介しているサイトがヒットしたんです。三浦篤先生の講演を何度か聞いていて、とても面白かったので会社の同僚エリさんを誘って出かけることにしました。エリさんも大学で美術史を専攻されていた方なので、話が合うんです。それに、東京大学がどんなところかちょっと見てみたかったっていうのもあります。

京王井の頭線駒場東大前駅徒歩30秒で駒場キャンパス正門に到着。話には聞いていましたけど、本当に目の前でしたねえ。エリさんが一高碑(嗚呼玉杯之碑)を見たいというので、正門の守衛さんに場所を確認して見に行きました。日曜日なのに、学生さんがたくさんいて、あちこちに腰掛けています。何をしているかと思えば一様に本を読んでいるんですよ。はあ~、東大生って本当に勉強好きなんですねえ・・・・。碑のそばにあったカフェテラスでお茶を飲んで、いざ会場へ。

30分前に会場に行ったら一番乗りになってしまいました。同時通訳用のレシーバーを受け取るのに、名前や所属・メルアド・電話番号を書くように指示されました。「一般人なんですけど、どう書けばよろしいですか?」とたずねたら、きれいな受付のお譲さんが「一般で結構ですよ」と優しく答えてくださいました。レシーバーを受け取って、会場へ。エリさんとおしゃべりしながら始まるのを待っていたのですが、開始時間10分前でも50人ぐらいしか聴講者がいなくて、あらもったいないと思ったんです。でも、最初の休憩のころには100人以上にはなっていました。いったい何時はいってきたんでしょうねえ。

最初にシンポジウムの趣旨説明を三浦先生がなさって、予定時間より少し遅れていたので、すぐに最初の講演者の講演が始まりました。

アンリ・ゼネール ハーバード大学教授 の講演テーマはアングル作≪『アエネイス』を読むウェルギリウス≫絵画と版画の交錯による構図の進展というもの。 フランス語による講演で同時通訳なんですけど、通訳者さん不慣れなのか、版画と彫刻の区別がちょっと曖昧で論点がよくわからなかったです。当時この≪『アエネイス』を読むウェルギリウス≫というのは人気の画題だったということと、アングルがこの作品を描くのにものすごくデッサンを重ねていたっていうのはわかりましたけど・・・・。己の理解力不足にちょっと凹みました・・・・。

 佐藤康宏 東京大学大学院人文社会系研究科教授 の講演テーマは18世紀の京都の画家たちー複製技術時代の絵画というもの。これはとても面白かったです。木版による画譜の出版が画家たちにどんな影響を与えたかというもの。日本語での講演ですからばっちりです。なんと映像資料はスライドを使用。今どき珍しい~。
画譜の出版が盛んになったことにより、絵を描く人にとっては様々な画題やその描き方を知ることができるようになったけれど、そのせいで、オリジナリティとはなにかという問題が突きつけられるようになってしまったとのこと。その一つの解決策として、その場で描く今でいうところのアクションペイントみたいなことをやったりしたというので、その例を版画作品と並べて解説。版画から得たヒントからさらにデフォルメしたり変形したりとしたことオリジナル性を構築した例を若沖の作品で示して下さったり、面白かったです。

休憩をはさんで、第2部へ。

セゴレーヌ・ル・メン 西パリ大学 ラ・デファンス ナンテール校教授の講演テーマはクールベ、芸術生成の諸問題。「傷ついた男」を取り上げ、この作品の背景として、当時の大衆版画の影響と、大衆版画の題材として広く流布していたバビロンを舞台にした純愛悲恋物語の「ピラモスとチスベ」の物語の表現の影響をあげていました。クールベの自画像でもある「傷ついた男」、この絵の下には女性と肩を寄せ合う絵があるのだとか。フランス語がわからないし、通訳さんもなんとなく舌足らずな感じだったので、やっぱりちょっと消化不良気味。

三浦篤   東京大学大学院人文社会系研究科教授の講演テーマは、エドゥアール・モネと<タブロー>の脱構築 断片化と筆触 。三浦先生のお話は、素人でも分かりやすいというか、テーマが最初にはっきり示されるので聞きやすいです。マネの「オペラ座の仮面舞踏会」とその習作とされていたブリジストン美術館蔵の「オペラ座の仮面舞踏会」が実はマネの画面の断片化に向かう取り組みと、画面を筆触によって表現する方向への取り組みの対作品となるものではないかという新しい位置づけをされている。いろいろな例をあげて論を展開されていて、とても納得ができたし、興味深かったです。三浦先生の話はやっぱり面白いですねえ。

近藤学   UTCP特任研究員 東京大学大学院 の講演のテーマはアンリ・マティスの油彩における作品生成過程(1913-16)というもの。どうやら、最初に講演をなさったアンリ・ゼルネール氏に評価をしてもらう手はずになっているのか、フランス語による発表でした。申し訳ないけれど、マティスはあまり興味ないので、ぼ~としながら聞いていて、内容はちっともよくわかりませんでした。キュビズムはあんまり好みじゃないしなあ・・・・。一生懸命お話しされたのに、ごめんなさい。

第3部は「絵画生成論の新たなる地平に向かって」というテーマで全体討議の予定だったのですが、エリさんがタイムリミットとなり、聞くのを断念。

それでも、3時間以上も濃ーいお話を聞いたので、十分満足できました。
頭の整理はついていないのだけれども、絵を見るときの新しい視点を教えてもらったと思います。またチャンスがあったら参加したいものですね。なんといっても「ただ」というのがありがたいですね♪

18日(水)18:00-20:00同じく東京大学駒場キャンパス18号館ホールでアンリ・ゼルネール氏による「ジャン・フーケはいかにして「フランスの画家」となったか」という講演があるそうです。事前登録不要。フランス語同時通訳付き これも聞きたい・・・・・。でも仕事が・・・・・。あああああああ・・・
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