忍者ブログ
AdminWriteComment
講演会参加記録帖
No.
2024/12/29 (Sun) 13:07:31

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

No.26
2010/05/29 (Sat) 23:10:55

講演日 2010年5月29日(土)14:00~15:30
講演者 シルヴィ・パトリ氏 展覧会監修者 オルセー美術館学芸員
会 場 国立新美術館 講堂 
費 用 無料(要半券)

オルセー美術館展2010「ポスト印象派」の記念講演です。

今回はインテリアコーディネーターをしている大学時代の友人と一緒に参加。新国立美術館の講堂の白い椅子が一脚5万もするものだと教えてもらってまずびっくり。この椅子、デザイン的にはいいんでしょうけど、固くてテーブルも付いていないし、講演会用にはあんまり良くないと思っていたので、その値段にびっくりいたしました。おまけに椅子の並べ方がよろしくないといちゃもんをつける友人。友人の前に座ったのがとても体の大きな人だったので、友人からスクリーンが非常に見え難かったのです。これも椅子を少しずらして互い違いにすれば解決することなのに!だそうだ。なるほど、言われてみればその通りだ。今度講演会に行ったらアンケートに書いてみよう。

私は比較的古い時代の絵画が好きなので、19世紀以降の絵画についてはよく知らない。19世紀絵画ではルノワールを偏愛しているが、他はさほどでもない。今回の展覧会で大きく取り上げられている「ナビ派」についてはほとんどわからない。モーリス・ドニやピエール・ボナールは知っていたけれど、彼らが「ナビ派」と言われる
集団を作っていたことを知らなかった。お粗末なものだ。それだけに今回の講演はなかなか興味深く聞けた。

講演者は中年と言うには少し早すぎるくらいの女性。栗色の髪のなかなか気の強そうな美人さん。(それがどうした?と言われそうだが・・・)オルセーではナビ派周辺が御専門だそうです。同時通訳者さんが隣についての講演です。

講演は、ナビ派の画家たちが1900年以降急速に忘れ去られ、1960年以降再発見・再評価がされることになっていった経緯等についてだったのですが、話を聞いていると、そもそもこのナビ派という言葉自体が出てきたのが1940年代だというんですね。

普通、~派と名前がつけられる場合、その集団外の人間が名づけるものだが、ナビ派の場合はその集団に属する画家たちが自分たちで「ナビ」=ヘブライ語で預言者という名前をつけたのだそうだ。うーん、この辺からちょっとナルシスティックなにおいがする。

ナビ派は、当初はパリのアカデミー・ジュリアン(私立の画塾の一つ)に通う若い画家グループだったとか。モーリス・ドニやエドゥアール・ヴュイヤールはコンドルセ高等学校(パリの名門高校)の出身者でかなりのインテリ。そういう彼らが17・8歳で出会っていわゆる「芸術家生活」っていうものにあこがれて兄弟会みたいなものを作ったっていうんですね。内輪で自分達のことを「ナビ」と呼んで、自分たちの集まるところを「神殿」自分たちの奥さんを「神殿の光」と呼んでいたって・・・・。どうも話を聞いていると、現在の同人サークルのノリにしか思えない。集まっては自分たちが「イコン」(聖画っていう意味ですが)と呼んだ実験的な小さな作品を持ち寄っていろいろ批評会なんかしたらしい。(今回の展覧会にも出品されています)

結局ナビ派を構成した画家たちはやがてこの同人会みたいなところから独立というか、それぞれの進みたい方向へいったということらしいです。(途中眠くなってしまってこの辺はあいまい・・・)

それにしても、画面の平面化とか強い装飾性って、日本人の感覚では全然違和感ないように思うのですが、どうも西洋人からするとものすごく革新的なものに感じてたんですね。その辺の感覚がちょっと不思議です。ナビ派は日本の浮世絵などに強い影響を受けてるそうなんですが、当時の日本人は一生懸命西洋絵画を学んでたりするのですよ。やっぱり自分にないものに強くひかれるっていうのは仕方ないことなんでしょうか?

講演が終わった後、質問を受けてくださるということでしたが、今回、あまりにバカな質問しか浮かばなかったので手を上げるのはやめておきました。

講演者の方が、「アカデミー・ジュリアンで生きたモデルを使って描いたり・・・」という言い方をしていたのですよ。こういういい方をするということは、生きたモデルを使わないで描く方が普通だったってこと?って疑問に思ったのです。どうなんでしょうねえ?でもこんな質問あまりにおバカですよねえ。そうこうしているうちに他の方が手を挙げたらしくて、質問しだしたのです。

「時間もないでしょうから手短に」と最初に自分で言っておいて、長い質問、それも超専門的。どこかで聞いた声だなあ・・・と思ったら、東大の三浦篤先生でした。その次に質問した方は日本人なのになぜかフランス語で質問。通訳者さん、質問者の質問を訳してくださらないから、何を質問されたのかわからず、講演者の方の答えだけを訳されても・・・・・。

専門家さんは後で直でご質問なさった方がいいんじゃないだろうか?と思ったのは私だけではなかったと思います。講演者さんが三浦先生の質問に対して「私は全くそうは思いません!」と言ったのはびっくり。お国柄を感じました。

今回の同時通訳者さんはとても上手で聞きやすかったです。こういう同時通訳式の講演会は通訳者さん力量によっても聞きやすさが違うものです。




















PR
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[32]  [31]  [30]  [29]  [27]  [26]  [25]  [24]  [23]  [22]  [21
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
フリーエリア
最新CM
[12/05 正春]
[12/04 DNA]
[12/04 正春]
最新TB
プロフィール
HN:
DNA
性別:
非公開
職業:
流通業事務屋
趣味:
美術展鑑賞と読書
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]